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2020.09.14

【コラム】a.b.c時短の可能性

コラム

 a.b.c時短搭載機もそれなりの機種数が登場してきて、「こんなことができる」と仕様をイメージし易くなりましたので、a.b.c時短のおさらいと可能性について掘り下げてみます。


a時短…大当たり終了後(確変終了後)作動する時短 


変更点⇒ 時短作動回数の上限値(100回)の撤廃

端的に言えば、「馴染みのある時短に100回転上限がなくなっただけ」です。

オーソドックスな使い方としては、『P貞子3D2 S2B』の通常時短114回転、『P遠山の金さん 桜と華の密偵 JUD』の100・200・300回転の時短振り分けなどが挙げられます。

これまで通りのタイミング(100回転)で終了する振り分けも残しておいて、演出で延長!と魅せると「驚き=ポジティブ」になりますが、「貞子」は通常時短が全て114回転だった為に意外性を感じず、「金さん」は200・300回転の振り分けが合わせて3%と低過ぎた為にユーザー体感が得られなかったのが、微妙な結果となった要因の一つだと感じます。

ウリになりそうな仕様は、
 
・遊タイムまでa時短
ST74回転後に884回転のa時短を搭載した『Pリング呪いの七日間2 JN』が代表例。
「終わったと思いきや」からの意外性とその出現率(特②10%)が良かったように感じます。


・ST終了後に+αでa時短
ST120後に+120回転の振り分けを特①11%・特②40%持つ『P仮面ライダー轟音 M6』は、+αの時短で3回に1回は引き戻せる計算。引き戻し率がこれより低いと「+αの驚き」に対して期待感を削ぐ事になり、これより高いと出現率を下げないと割が取れなくなりますので、初期のアレンジタイプとしては良バランスに感じます。



b時短(遊タイム)…低確率中の規定回数到達後、作動する時短 


規定回数の範囲は、大当たり確率の分母2.5倍以上~3.0倍以下と定められ、作動するb時短回数は大当たり確率の分母3.8倍以下と上限が定められています。

規定回数に到達する割合を計算すると、概ね5~8%になります。

TS帯による到達率の差はほとんどありませんが、到達までに平均で約4000~6400回転要するハイミドルと1240~2000回転のライトでは、到達までに掛かる時間とホールでの出現率は変わります。

例えば、特②恩恵が強い仕様(V-STのような突破型)の場合、なかなか出現しないハイミドルでは「これだけハマったんだから、見返りもそれなり」でも良いと思いますが、出現率が高いライトでそういった仕様にすると、常に遊タイムを意識して遊技する層が増えて、「止める時は即ヤメ」と稼働の伸び悩みに繋がる可能性があります。

ですので、ライトでは恩恵を強くせずオマケ程度にして、「今日はついてなかった」という遊技の区切り的な役割にしておいた方が、長持ちするのでは?と感じます。


基本的に、遊タイム(b時短)に突入しても、特賞しない残念パターン「スルー率」はデジパチでは概ね2%ありますが、役物確率を甘く設計できる1種2種ではスルー率ほぼ0%(実質次回特賞確定)という仕様が可能です。

1種2種の『Pモモキュンソード MC』は、到達率・スルー率ほぼ0%・高めの突入TYと、特②恩恵を最大化した遊タイム搭載機。

バリバリに遊タイムを意識しながら遊技することになるので、このタイプは
供給台数(少)・コンテンツ(コア層向け)・出率設計(辛)
などの条件を満たせば前向きに導入検討して良さそうです。

『Pエウレカセブンハイエボゼロ SEJD』のように、到達しても引き戻し率が低いあくまで遊技の区切りとしての「オマケ」パターンも、特賞出玉に割を持っていかせない、あるいは、スペックに鈍感な層と詳しい層との立ち回り差が発生し難いように、などの背景がマッチするコンテンツ・TS帯であれば、否定されるものではありません。


いずれにせよ、遊タイム(b時短)はあくまで「ハマり救済機能」になるので、搭載の有無はわかりやすく伝えていく必要があるにしても、搭載機が増えていくにつれて、振り切った「モモキュン」タイプ以外はそれをウリにするものではなくなっていくと思います。



c時短…低確率中の特定図柄の表示後作動する時短


いわゆる「突時」で、抽選確率に規定はなく、時短回数の上限のみ大当たり確率の分母3.8倍以下(b時短と同じ)と定められています。

初搭載機は『P貞子3D2 S2B』で、突入率1/282.4・21回転のサポが作動する仕様。

残念ながら支持を得られませんでしたが、それはc時短作動時に右打ちが必要だった点と、引き戻し率が7.54%と低かった点に要因があるように感じます。特賞でもないのに右打ちをした挙句、大半が何も良い事(=特賞)が起きないと「なんだこれ」になってしまいます。

そこら辺のネガティブが解消されているのが、『PAドラム海INジャパン』。常時左打ち消化ですので、遊技に違和感がなく、引き戻し率は平均27.5%。ちょっと「超韋駄天」絡みで販売台数が過多な感はありますが、仕様は良いと思います。


そして、頭一つ抜けているのが、電チュー非作動時の特②スタートでのみc時短を抽選する『P真・牙狼 RS』。

抽選タイミングが時短終了後・ST終了後の残保留に限定され、そこで1/89.04に当選すると900回転時短が付く仕様。同時に1/319.6の特賞抽選もされているので、特賞込みの当選率は5.66%。

c時短当選時は、低確率900回転をスルーしたとしても、その後1200回転の遊タイムが付く為、ほぼほぼ次回特賞が約束されたようなもの。「あー、終わった」と感じたところでのサプライズ復活となるこの仕様はウケると思います。


a.b.c時短、それぞれウケそうな使い方が見えてきましたが、端的に言うと、ポイントは

「意外性・+αを感じさせる出現率と引き戻し率」


以降の機種選定に活かしてみてください。