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2020.12.07

【コラム】2020年 年間販売台数~パチンコ編~

コラム

 月日の経つのは早いもので、気付けば師走、既に2~3月の遊技機に触れながら春先の島図を描いているホールも多いのではないでしょうか。

コロナ禍がなければ、今年の年末は例年以上に多くの新台が販売され、2月には旧規則機がほぼない世界になっていたハズですが、感染拡大地域が世界規模となり、遊技機の生産環境が整い難くなったことや経済活動の停滞によりホールの入替費用捻出が困難な状況等から、諸々の「条件付き」で旧規則機の設置期限が最大11月30日までの延長が認められたのは周知のとおり。

日頃、一部メーカーの「共感できない販売方法」に苦い思いをしているホールも多いかも知れませんが、こと旧規則機の設置期限延長に関しては、「ホールがなくなっては元も子もない」という側面はあるものの、新台を1台でも多く売りたいハズのメーカーの協力なしに実現し得なかった点はしっかり心に留めておきたいところです。

今回は、そんなメーカーへの敬意を込めて、一部見込み数値が含まれますが、2020年の遊技機販売台数をランキング形式でお届け致します。

たかがランキング、されどランキング。
現状を適切に捉えた上での正しい「未来予測」の先に光は射しますので、このランキングもその手助けになるハズです。お付き合いください。

 最初に、2020年のパチンコ年間販売台数ですが、91.8万台
となる見込みです。 ※リデザイン調べ

まだ「P機よりCR」というムードが強く、5万台を超える販売が「PAスーパー海物語INジャパン2 MG」たった1機種しかなかった昨年が114.8万台でしたので、前年対比で20%減

コロナ禍がなければ、撤去需要で130~150万台は見込まれていたことを考えると、その差は非常に大きいものとなっています。


さて、2020年 販売台数1位のメーカーは・・・
三洋系(三洋・サンスリー) 24.7万台‼

「超韋駄天」の6.5万台(見込み)とそれを取り巻く遊技機のプラスオンでダントツの1位。
元々、演出の基本構成やスペックの作りこみはしっかりしているメーカーでしたが、これまで「海の○○」の色が強く、ホールもユーザーも色眼鏡的な見方もあり商品力を発揮し難い状況にありました。今回、コロナ禍で新台供給が急激に低下する中での数少ない新台であったこと、短時間遊技を好む遊技行動の変容と遊技機仕様がマッチしたことで、色眼鏡なしに着座遊技され易い環境となり、じわじわ評価を上げていきました。

昨年は、「来年は三洋の年になる。なぜなら、海の『設備更新』が控えているから」と言っていたのですが、全く別の形で1位となりました。
版権・枠装飾に頼らない遊技機のヒットはホール・メーカーにとって「希望の光」。

2021年の注目は・・・海シェアの変化 でしょうか…



2位は・・・
京楽.(京楽.・オッケー.) ・ 三共(三共・ビスティ・ジェイビー) 12.5万台‼

なんと同販売台数。冬ソナとタイガーマスクの着地次第ですが、僅差で京楽が2位になる気がします。

京楽.は変化の先取りが上手く、ハイミドル×遊タイム「仮面ライダー轟音」の4万台が牽引した格好。
スペックの先取りに注力した結果、(恩恵特化型)遊タイムとハイミドルの相性の悪さを先んじて示す結果となりましたが、これはコロナ禍で夜の稼働が伸びにくくなった行動変容の影響もあったように感じます。

それよりも、ベース機が軒並み実績機ではあるにしても、変わり映えしない「アレンジ機」を繰り返し販売したことで、「京楽フォーマット」にやや飽きが見られる点が、気になるところ。良い面も悪い面も含め、市場に影響力のあるメーカーですので、来年の舵取りをドキドキしながら見守りましょう。



 三共は、「戦姫絶唱シンフォギア2」の3.5万台が牽引。65%内規撤廃後もこうして1種2種が定着しているのは元を辿れば三共のおかげと言ってもいいぐらいですが、今年は1種2種一辺倒ではなくVループ(転落式)・VST・100%ST・役物など幅広いスペックを販売。
たとえ販売台数的に大きく望めない仕様・モチーフでも、「灯を消してはならぬ!」と継続的にトライしていくモノづくりの姿勢は高く評価したいところです。

4位は・・・
ニューギン 8.7万台

「花の慶次~蓮」の5万台が牽引。転落抽選は踏襲し、継続率重視タイプにして漆黒との共存を目指しましたが、結論「タイミングが早かった」ということになるのでしょう。
次の「慶次」でどのようにスペック変更してくるのか注目です。


5位は・・・
サミー系(サミー・銀座・エレック) 8.6万台

「エウレカセブンハイエボ」も佳作貢献しましたが、牽引したのは12月販売の「真北斗無双3」。着地によっては4位と入れ替わるかも知れません。
辛酸をなめた(…と言っても9週貢献はしているのですが)「2」の反省を踏まえての「3」で、「初代」との一時共存を前提とした高継続1種2種。新規則機ではなかなか期待に応えられていない「北斗シリーズ」ですが、少し販売台数を絞り込んでこのタイミングでの登場。
年末年始に限らず、春以降の救世主となることを願います。


・・・という事で、スロットは次回に続きます。



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